【実録】現場で見たPSEトラブル5選|品質管理のプロが語る現実と対応法
PSE(電気用品安全法)に関するトラブルは、実際の輸入や品質管理の現場では意外と多く発生しています。書類の不備、マークの誤表示、検査の認識不足など、PSEを甘く見たがゆえに発生した失敗事例は後を絶ちません。
この記事では、品質管理の現場で実際に遭遇したPSEにまつわるリアルなトラブル5選と、それに対する現場の対応策を紹介します。
ケース①:PSEマークが印刷されていない
中国のOEM工場に依頼して製品が届いたが、PSEマークが印刷されていない。販売前に気づいて良かったが、修正に数週間を要した。
原因:仕様書にマーク表示の指示がなかった、または工場側の理解不足。
対処法:製造前に「表示仕様書」を明示し、量産前にサンプルチェックを徹底。
ケース②:技術基準がCE準拠、PSE基準に合っていない
提出された試験報告書がEUのCE基準のみで、日本の技術基準に合致していなかった。
原因:現地試験機関がPSEとの違いを理解していなかった。
対処法:日本の技術基準を明示した仕様書とチェックリストを工場に渡す。必要であれば日本の検査機関で再試験を行う。
ケース③:ラベル記載ミスで通関NG
通関時にPSEラベルの記載が不適切と判断され、貨物が一時ストップ。
原因:丸PSEと菱形PSEの区別がついていなかった。記号や社名表記の不備も。
対処法:正しいPSEラベル例を資料化し、製造者と共有。ラベル印刷も自社で管理。
ケース④:提出書類に抜けがあって経産局から照会
自主検査の資料と技術基準適合確認書を提出したが、一部資料が欠けていたことで経産局から追加資料の照会が届いた。
原因:試験結果の抜粋のみを保存しており、規格全体の証明になっていなかった。
対処法:全試験項目が確認できる書類を必ず保存。必要なら専門家に一括管理を依頼。
ケース⑤:輸入後にPSE非対象と判明し販売停止
バッテリー付きの照明器具をPSE対象と思って試験・届出を済ませたが、実は対象外製品だったため、マーク表示が違法と判断されてしまった。
原因:対象範囲の誤解。法律の読み間違い。
対処法:PSE対象品かどうかは、事前に経産省のリスト・ガイドラインを確認。迷ったら専門家に相談。
まとめ:現場対応には「準備・確認・記録」の3点が命
PSEの対応には書類だけでなく、現場での実装・ラベル・表示・通関など多くのチェックポイントがあります。ひとつでも抜けると大きな損失になることも。
現場で起きたトラブルを教訓に、今後のPSE対応には「準備・確認・記録」の3点を徹底し、トラブルを未然に防ぎましょう。