岐阜県50代バイク乗りの備忘録

50歳を過ぎても岐阜県内をツーリング。新しいコース探しをする備忘録です。

【懐かしの“豆カム”から令和のドラレコへ】バイク&クルマで映像を残してきた話──乗鞍スカイライン、8mmテープ、そして今

今でこそドライブレコーダー(ドラレコ)はクルマにもバイクにも“付いていて当たり前”。でも、昔は小型化が進んでおらず、バイクに積むのは正直ムリがありました。あの頃、どうにかしてツーリングの映像を残したくて、工夫と失敗を重ねた話を、ちょっとだけ長めに。

「ドラレコが当たり前」になる前夜――どうやって撮ってた?

ツーリングの記録を残したい。いまならスマホでもアクションカムでも、選択肢はいくらでもあります。でも90年代はそうじゃない。小型カメラなんてほとんどなくて、クルマ用のビデオカメラを無理やりバイクに固定するか、後ろから友だちに撮ってもらうか……そんな時代でした。

そんな中で登場したのが、カメラ部と記録部が分かれているSONYの“豆カム”というコンセプト。いま思えば、これが「のちのドラレコ」や「アクションカム」に続く、ひとつの原型だったのかもしれません。

8mmテープの「初代・豆カム」と、記録部メカの“振動”問題

90年代、8mmテープに記録する“初代・豆カム”がありました(知ってる人、少ないはず)。カメラ部は小型で、記録部は別体。だからバイクへの搭載は比較的しやすい。タンクバッグに記録部を忍ばせ、カメラだけを目立たない位置に固定――そんなレイアウトが定番でした。

最大の難点:記録はメカデッキ。つまり振動が命取り。段差や高回転域での微振動が重なると、ドロップアウトや録画停止が起きがち。それでも、大半はちゃんと撮れていた記憶があります。路面の粗さを避けて走るクセが付いたのは、この頃の名残かも。

2009年、HDの「豆カム」HXR-MC1登場(いまは販売終了)

2009年、SONYからHXR-MC1(通称:豆カムHD)が登場。カメラ部と記録部が分離という哲学はそのままに、記録はデジタルへ。8mmテープ時代に悩まされた“振動で録れない”問題が大きく緩和されて、バイク車載のハードルが一気に下がりました(※現在は販売終了)。

いまのドラレコの「耐振動」「防滴」「常時電源」「操作ボタン最小限」といった思想は、あの頃の現場知見の延長線上にある気がします。

カメラの前を“代わる代わる”走った、あの夏

当時は、カメラに映りたくて仕方がない(笑)。信号待ちで合図して、順番に前に出て、各自の雄姿を残す。いまのモトブログ文化の原型みたいなことを、アナログな道具でやっていました。あの楽しさは、フルHDでも4Kでも代替できない“場の熱”です。

忘れられないワンシーン:規制前の「乗鞍スカイライン」

いちばんの思い出は、まだ通行規制がなかった頃の乗鞍スカイライン。高度が上がると空気が薄くなり、キャブのセッティングが合わなくなっていく。乗っていたのはCBR400RR。チョークをうまく使わないとエンスト。クラッチを切った瞬間にストン……なんてことも。

それでも、あの涼やかな風と、地平線が近づくあの高揚感。レンズの向こうで、仲間の背中が小さくなっていく映像――。映像は見つからないのに、音と匂いだけは鮮明に思い出せる。不思議なものです。

引っ越しでテープを処分?――記録が「記憶」に変わる瞬間

先日、当時のテープを探しましたが見つからず。引っ越しのどこかで手放してしまったのかもしれません。いま思えば、あれはもう貴重な文化遺産でした。けれど、記録がなくても物語は消えない。むしろ、都合よく編集されない分だけ、記憶はいつまでも“体温”を保ってくれる気がします。

そして令和――ドラレコが「当たり前」になった世界で

いまやドラレコは、クルマもバイクも標準装備のような存在。事故対応、もらい事故の証拠、当て逃げ対策、煽り運転の抑止、そして思い出の記録まで。あの頃は、ここまで普及するとは正直思っていませんでした。

だからこそ、いまドラレコを選ぶ人に伝えたい「実体験ベースのポイント」を、当時の“豆カム格闘記”を踏まえてまとめておきます。

いまドラレコを選ぶなら:バイク&クルマ共通のチェックリスト

  • 耐振動・固定方法:バイクは特にここが命。金具・ベースの緩み対策、ゴムスペーサーでの微振動低減は必須。
  • 防水・防塵:バイクはIP規格を要確認。雨天ツーリングを想定しておきたい。
  • 電源設計:ACC連動かバッ直+リレーか。停車時監視の消費電力もチェック。
  • 画角と歪み:広角は大事。ただし歪みが強すぎると車間誤認につながる場合も。
  • 夜間性能:都市部・郊外でのヘッドライト反射、ナンバーの視認性をサンプル動画で確認。
  • ファイル管理:ループ録画、イベントロック、熱停止時のファイル保護仕様。
  • 発熱対策:夏の渋滞を想定。放熱スリットや金属ボディの恩恵は大きい。
  • マウント位置:「揺れにくさ>景色の良さ」。結果として映像も証拠能力も上がる。

結局のところ、30年前の悩み(振動・熱・防水)は、いまも本質は同じ。テクノロジーは進化しても、取り付けと運用の丁寧さが画質と信頼性を決めます。

バイクならではのコツ:ヘルメット or 車体、どっちに付ける?

  • ヘルメット装着:視点が自然で被写体追従がしやすい。風切り音対策(ウインドジャマー、マウントの緩衝)が鍵。
  • 車体装着:振動の少ない位置(フレーム近傍)+堅牢マウント。配線は可動部を避け、雨対策の取り回しを。
  • 前後2カメラ:追突・幅寄せ対策として実効性が高い。リアは泥はね対策も忘れずに。

クルマでの“後悔しない”選び方:駐車監視と熱に強いモデル

  • 駐車監視:当て逃げ・イタズラの抑止に有効。常時給電の消費とバッテリー保護を両立する設定が重要。
  • 直射日光・高温対策:夏のダッシュボードは想像以上に過酷。動作温度の仕様と実装の放熱を要確認。
  • 配線取り回し:ヒューズ電源の取り方、エアバッグへの干渉回避、Aピラー内張りの固定を丁寧に。

「映像を残す」ことの意味は、少しずつ変わっていく

昔は“撮る”こと自体が冒険でした。機材をどう載せるか、どう守るか。成功も失敗も、全部ひっくるめて楽しかった。今はドラレコで“守るために撮る”が主目的。でも、ツーリングの一本の道や、夜明け前の駐車場の静けさを、さりげなく残しておけるのもドラレコの良さです。

記録は、いつか記憶になる。テープを失っても、物語は残る。だから今日も、キーを回して走り出すとき、ドラレコのランプが小さく光っているのを見ると、ちょっとだけ安心するのです。

よくある質問(ミニFAQ)

Q. バイクのドラレコ、まずはどこから手を付ければ?
A. 「電源」と「マウント」。ここを丁寧にやれば、トラブルの8割は避けられます。
Q. 画質と信頼性、どっちを優先?
A. 日常用途なら信頼性。イベント時にロックされる、熱停止でファイルが壊れない、といった“最後の一線”を重視。
Q. ツーリングの映像も楽しみたい!
A. 証拠用途のドラレコに加えて、編集前提のアクションカムを“サブ”で回すのもおすすめ。役割分担が快適です。

――あの頃の“豆カム”に救われた一本のテープが、今のドラレコの安心につながっている。そう思うと、ガジェット好きとしては、ちょっと胸が熱くなります。